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ビットコインゴールドが抱える5つの問題点

ビットコインゴールドは複数の解決すべき問題を抱えている。


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ビットコインゴールドが抱える5つの問題点
ビットコインゴールドの問題点とは。(@bitcoingold)

取引所も取り扱いに悩む

ビットコインゴールド(BTG – Bitcoin Gold)は香港のマイニンググループLightningASICが主導している暗号通貨プロジェクトである。

LightningASICはビットコイン(Bitcoin)をハードフォーク(分岐)することによってビットコインゴールドを生み出すが、この分岐はビットコインの491407blockで行われる予定となっている。

ハードフォーク予定時刻は日本時間の10月25日21時頃であり、BitcoinGold公式では分岐までのカウントダウンが表示されている。

ビットコインゴールドはビットコインのハードフォークであることから、分岐までに所持していたBTCと同じ数のBTGが与えられるため、暗号通貨マーケットではビットコインの大きな買いが続いている。

しかし、ビットコインゴールドには複数の問題があるとして、日本を含む世界各地の暗号通貨取引所はそれぞれBTG取り扱いについて可否が分かれている。

国内取引所の一つであるビットバンクの見解によると、ビットコインゴールドが抱える問題点として『プレマイン』『コードの不備』『リプレイアタック』『リスケジュールの可能性』の4点を挙げ、ビットコインゴールドにはリスクが含まれるとして取り扱わない方針である。

また、これら4つの問題点に加えて日本国内では『ホワイトリスト』という問題も存在する。

(本文前に)簡単な3行まとめ

  • ビットコインゴールドには様々な問題があると指摘されている。
  • それによって世界各地の暗号通貨取引所ではBTGの取り扱い可否が分かれている。
  • 日本ではホワイトリスト入りされなければBTGの取り扱いが許可されない。

プレマイン

まず一つ目の『プレマイン(Premine)』は事前採掘を意味しており、一般に公開する前から開発者が通貨を保有している。

ビットコインゴールドは8,000ブロックのプレマインを行っていることから、既に大量のBTGを開発者側が持っているのだ。

プレマインでは上場後に一定の水準まで価格が上がった際、開発者が通貨を大量に売り捌いて大暴落(開発側は大儲け)させるという問題を有している。

これは利益を独占しているために公平とは言えず、このことから暗号通貨に携わるユーザー達はプレマインを非常に毛嫌いしており、ビットコインゴールドも同じく批判されている。

また、現在のプレマインは8,000blockであるが、当初は16,000ブロックのプレマインが予定されていたようだ。

コードの不備

次に『コードの不備』であるが、ビットコインゴールドはプルーフ・オブ・ワーク(PoW – Proof of Work)というコンセンサスアルゴリズムを用いる際にEquihash(PDF)と呼ばれるアルゴリズムデバイスの使用を計画している。

しかし、執筆時点ではまだEquihashへの移行が完了していない

現在のところ残っているのはアルゴリズムのテストだが、ハードフォークスケジュールは25日であることからテストに十分な日数が与えられていない。

そのため、ハードフォークまでに間に合わせようと無理やり実装を行った場合には何らかの不具合が発生する可能性があると想定され、十分にテストされないことでネットワークに何らかの不具合が発生するのは非常に危険である。

リプレイアタック

そして『リプレイアタック(Replay Attack)』とは、分岐時に派生した元帳を悪意のある者が利用することで、元の送信者の元帳から通貨を勝手に送信させる(盗み取る)攻撃である。

例:A(BTC)からB(BTC)にビットコインを送信したが、その後C(BTG)がD(BTG)へと勝手にビットコインゴールドが送信されていた。逆パターンも有り。

ビットコインゴールドはビットコインキャッシュで用いられたSIGHASH_FORKIDというリプレイアタックから保護する方法を提案しているが、これは提案しているだけであって、実装自体はまだなされていない

これにより、分岐後に通貨を送信した場合は別の元帳にある通貨も同時に送信してしまうことも起こりかねないため、多くの人々が資産を失うおそれがある。

ハードフォーク後の対策としてはBTCを取引所ではなく自己管理するウォレットなどで厳重に管理し、トランザクションの送信はしばらく控えて様子を見る(2,3日~)ことが挙げられる。

リプレイアタックの詳細については以下の記事で紹介している。

リプレイアタック(Replay Attack)とは?

リスケジュールの可能性

『リスケジュールの可能性』だが、先述したように当初は16,000ブロックのプレマインを予定していたが、それに加えて1BTCにつき10BTGという初期暗号通貨配布(ICO – Initial coin offering)を予定していた

しかし、現在はその予定の見直しがされていることから、再び何らかのスケジュール変更がなされる可能性も今後考えられる。

当初予定されていたBTGのICO。(<a href="https://web.archive.org/web/20170831032225/http://btcgpu.org/" target="_blank">Web Archives</a>)
当初予定されていたBTGのICO。(Web Archives)

ホワイトリスト

これは日本国内における問題だが、そもそも国内の暗号通貨取引所では『ホワイトリスト』に載っていない暗号通貨は取り扱いが出来ない。

理由として資金決済法の改正が挙げられるが、2017年10月以降には金融庁が公表しているホワイトリストに掲載されていない暗号通貨は、国内暗号通貨取引所で一切の取り扱いが許可されない。

更に暗号通貨を取り扱う取引所も許可制となり、現在も多くの取引所が審査継続中となっているが、最終的に金融庁によって許可されなかった取引所は法令違反となり営業は認められない。

ホワイトリストおよび許可された暗号通貨取引所は金融庁がリリースした仮想通貨交換業者登録一覧(PDF)に記載されているが、同PDF内にある『取り扱う仮想通貨』という項目がいわゆるホワイトリストである。

万一、ホワイトリストへの追加が拒否された場合には、当然ながら国内全ての取引所はビットコインゴールドを一切扱ってはならない。

また、資料にも記載されているようにホワイトリスト入りしてもその通貨を推奨あるいは安全を保証しているわけではないことに注意したい。

暗号通貨界隈では詐欺通貨が非常に大きく問題化していることから、金融庁もそう簡単には通貨をホワイトリスト入りさせることはないだろう。

大きなバッシング

ビットコインゴールドが持っている問題はRedditのユーザーにも指摘されており、「BTG is, without a doubt, a complete scam.(ビットコインゴールドは疑いようのない完全な詐欺である)」と警告している。

ここまで強く言い切るほどの発言であることから、ビットコインゴールドに対しての信用が相当にされていないことが伺える。

ハードフォークが行われる前からビットコインゴールドは各要素で様々な影響を与えているが、ハードフォークが実行された場合には暗号通貨マーケットを含め、更に大きな影響を与えることになるだろう。

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